「東洋美人」は山口県の「澄川酒造」さんのメインブランドです。
2016年日露首脳会談の晩餐会で振舞われ、プーチン大統領が会見で「東洋美人は美味しかった」と発言して話題になりました。
日本酒らしい吟醸香とスッキリした甘味、澄んだお米の旨味が魅力のお酒です。
そんな澄川酒造さんから山口県内の特約店限定、さらに年に3回(4月・7月・11月)だけ販売されているのが「地帆紅」(ジパング)。
山田錦を40%まで磨いて仕込む大吟醸は、華やかで透明感のある綺麗な味わいとのこと。
たまたま入手できたので、感想をお伝えします。
限定大吟醸「地帆紅」(ジパング)
ジパングはこちら。
「純米」造りではなく「醸造アルコール」添加。
お正月に蒲鉾に合わせて飲んでみました。
飲んでみたところ、フワーッと華やかな香りとほんとに透き通ったようなお米の旨み。
香りはフルーツ系というより、日本酒らしい吟醸香が強いようにも思います。
口当たりは甘く後味はスッキリ。
酸味は控えめなので、フルーティーであっても白ワインというよりあくまでも「日本酒」なんです。
火入れと生酒タイプがあり、今回は火入れなので冬場は通常配送ができました。
ただし保管は冷蔵庫で。
冷やして飲むのがおすすめ。
澄川酒造の東洋美人は凄いブランド
澄川酒造さんは山口県萩市の北東部、島根県の県境にあたる田万川のほとりに所在します。
創業は1921年。
製造するお酒の9割以上が特定名称酒で、瓶火入れ・瓶貯蔵を行うなど一貫しており「品質重視」の酒造りを行なっています。
通常、殺菌のために行う火入れは、曲がりくねったパイプ状の「管」にお酒を流し込んで、温度を上げて殺菌します。
澄川酒造さんでは、生の状態で瓶に詰めてから「お燗」するように火入れ即冷却するのでかなり生に近いフレッシュな味わいになります。
現在4代目の社長(杜氏)は、『十四代』で有名な山形県の高木酒造で修行をつんだ澄川宜史氏。
『0杯から1杯へ』を目標に、日本酒を飲んだことのない人にも親しんでもらえるような華やかでフルーティーな香味も意識している
株式会社澄川酒造場HPより
澄川酒造さんは地域の酒造りの支援も積極的で、同じ地域にある阿武の鶴酒造さんや八千代酒造さんに設備を貸与するなどの協力をされています。
東洋美人のラインナップ
澄川酒造さんの東洋美人シリーズにはジパングの他、壱番纏(いちばんまとい)・「プリンセス・ミチコ」 など、有名銘柄がラインナップされています。
大吟醸でも買いやすい価格なのも魅力的。
Ippoシリーズは麹米に山田錦40%精米、さらに愛山や酒未来、山酒4号等十四代にも使われている酒米を50%精米であえて純米大吟醸表記せず価格を抑えているコスパは最強のお酒だと思います。
Googleレビューより
海外でも人気のブランドなので、日本らしい雰囲気のラベルの商品もあります。
スペック
造り 大吟醸 無濾過一回火入れ
アルコール度数 15.8度
日本酒度 ±0
酸度 1.5
アミノ酸度 0.9
原料米 山田錦 100%使用
精米歩合 40%
使用酵母 自社酵母
ジパングは純米造りではなく、醸造アルコールが添加されています。
純米酒よりも安く販売されている紙パックのお酒は「醸造アルコール」入りなので、醸造アルコールが入ったお酒は「安い酒」「悪酔いする」というイメージがあるかもしれません。
なので、お酒好きでも醸造アルコールの入った「アル添」を避けている人も多いのでは。
ただ「吟醸酒」や「大吟醸酒」などの特定名称酒にも、お酒の香りと味のバランスを整えるためにあえて「醸造アルコール」を入れるという手法がとられることも。
つまり「コスト削減」のために入っているわけではなく、香りをひきたたせるために使用されているのです。
なので「アル添」というだけで毛嫌いしてしまっては勿体ないですね。
まとめ
「東洋美人ジパング」は香りがとても華やかなお酒なので、おめでたい席の乾杯にもぴったりなお酒です。
同じ山口県のお酒で、華やかな香りを持ったスッキリ系の「獺祭」よりも口当たりは甘め。
ただベタベタした甘さでなはくて、繊細でサラッとした口当たりが癖になる美味しさです。
辛いお酒が苦手な方でも美味しくいただけるのではないでしょうか。