お酒は揺れに弱いんデス|日本酒の味と振動

お酒

ネットで買ったお酒を、到着してすぐに飲んだところ「セメダイン臭」がしたことがあります。
このセメダイン臭は「セメ臭」といわれ、正確には「酢酸エチル臭」。

「酢酸エチル」は特に有害な物質というわけではなく、果物の香り成分にも含まれる「エステル」という香り成分の一種。

お酒を造る酵母から生成される、お酒の香りを構成する成分の一部なのです。

日本酒はとてもデリケートな飲み物なので、保管状態によっては劣化が進んで「香り成分」のバランスが崩れ「セメダイン臭」になってしまうことがあるんです。

がっかりしつつ冷蔵庫に入れて1週間・・
改めて飲んでみると今度は美味しい!?

嫌な香りはみじんもなく、いつものようにフルーティーで美味しいお酒になっていました。
クール便で到着したので温度には問題がなかったはず。

思い当たることといえば、輸送の時の「振動」くらいです。
振動で味や香りに変化があるとは・・??

この「日本酒と振動」の関係について調べてみました。

お酒も疲れる?

昔ながらの「木桶」を使って醸造した日本酒は「酵母にストレスがかからない」ので美味しくなると聞いたことがあります。
酵母も生き物、ストレスを感じるならば輸送で疲れることもありそう。

そういえば、パッキンと段ボールの間にすき間があったような・・
梱包してあっても、段ボール内でガタガタと揺れたのでしょうか。

酒屋さんのブログなどを見てみると、輸送時の振動によってストレスを抱えたお酒は、味や香りのバランスが崩れ「セメダイン臭」がしたり「トゲトゲしい味」になったりすることがあるそうです。

見た目は普通ですが・・

特に香りへのダメージが大きいようですね。
お酒の疲れをとってあげるには、3日ほど冷蔵庫(暗くて涼しい場所)で安静にしてあげるとよいみたい。

我が家のお酒は、1週間ほど寝かせたら全く違う香りになりました。
冷蔵庫の中でも、振動の少ない場所に入れておくのがポイントです。

振動とお酒

日本酒だけでなく、ワイン、ビールなど「酵母」を使った醸造酒は「振動」で味に変化がおきます。 例えば、瓶ビールの栓を栓抜きで「カンカン」と叩いてから開けると苦味が増すそうですよ。

この「振動」による味の変化を使って、お酒造りをしているメーカーさんもあります。

徳島県の三芳菊酒造さんでは、お酒を発酵させる時に音楽に合わせ振動を与えた「加振酒」と、通常のお酒との飲み比べセットを販売しています。
振動を与えると、発酵の進みが早くなり濃厚な味わいになるそう。

通常のお酒との味の違いは、精米歩合70%の純米酒でより顕著になるとのことです。

振動による味の変化は「精米歩合」だけでなく、銘柄によってもだいぶ異なります。
揺れると味が全く変わってしまうお酒、影響を受けないお酒もあるようで・・
その詳しい理由はよくわかっていません。

まとめ

「揺れた」お酒は味が違う、と言っても信じてもらえないこともあるかも?
でもいつもの風味とは明らかに違ったのです。

発売後(しぼりたての時期でした)すぐにクール便で送ってもらったお酒なので、「振動」しか思い当たることはありません。

振動がお酒に与える影響を重視して、配送の直後は店に出さずに何日か寝かせてから販売する酒屋さんもあるみたい。

家では冷蔵庫のドアポケットにお酒を入れているので、これ以降なるべく静かに開け閉めをするようになりました。

冷蔵庫の開け閉めでで今のところ味の劣化はないけど、せっかくのお酒、なるべく美味しく飲みたいですからね。

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