石鹸を作るのに使われる天然の油脂には
- オリーブオイル
- パームオイル
- ココナッツオイル
などがあります。
それぞれオイルによって成分が異なるので、泡立ちや潤いなどの仕上がりが違います。
というのも、オイルに含まれる「脂肪酸」の種類によって石鹸の使い心地が変わるのです。
このオイルごとの「脂肪酸」の特徴を調べてみました。
石鹸に使う油脂(脂肪酸)の特徴|保湿や硬さ、泡立ちなど
石鹸作りの原料に使われるオイルについて調べました。
オリーブオイル
古くから石鹸作りには欠かせない素材のオリーブオイル。
オリーブオイルには、オレイン酸が多く含まれます。
オリーブオイルを使った石鹸の特徴は、保湿力が高い事。
泡立ちは悪くて、柔らかい石鹸になります。
たとえば、油脂総量の100%をオリーブオイルで作った「キャスティール石鹸」は、泡立ちが非常に優しく、溶け崩れしやすい石鹸です。
なので、硬くなる成分を含むパームオイルなどをブレンドするのが一般的でしょう。
パーム油やココナッツオイルをブレンドして、オリーブオイルの油脂総量72%で作ったものはマルセイユ石鹸と呼ばれます。
ココナッツオイル
ココナッツオイルは、ココヤシの実を乾燥させて絞られたオイル。
ラウリン酸とミリスチン酸を多く含みます。
ラウリン酸はよく泡立つのが特徴。
さらに酸化安定性が高いので(変質しにくい)、ココナッツオイルを配合することで溶け崩れしにくい石鹸になります。
ただ、肌への刺激がやや強く乾燥させてしまうので、オイル全体の20%以内に配合するのがおすすめ。
パーム油(ヤシ油)
パームオイル(ヤシ油)は、アブラヤシの果実を絞ってできるオイルです。
パルミチン酸が40%含まれていて、硬さをキープできるのが特徴。
パームオイルを使うことで硬くて溶け崩れの少ない石鹸を作ることが出来ます。
パーム核油というオイルもあるけど、パームオイルとパーム核油は性質が違うので要注意。
牛脂
牛脂も、日本では石けんの原料として広く使われている油脂原料です。
ステアリン酸を多く含み、牛脂を使用することで溶け崩れの少ない石けんができます。
パルミチン酸を含むパームオイルも石鹸を固くするために使いますが、パームオイルを使いたくない場合は牛脂で代用できます。
ただし、ステアリン酸は、石鹸カスが出やすく硬度の高い水では泡立ちにいという特徴があります。
硬水を使用している地域では、泡立ちにくくて使いにくいのです。
なので海外(水道水が硬水の地域)で使う場合には、牛脂を使っていない石鹸の方がいいかも。
どの石鹸にどのオイルが入ってる?銘柄別おすすめ
石けん素地(脂肪酸ナトリウム)といっても、使用するオイルの「脂肪酸」の種類や割合によって全然違う石鹸になることがわかりました。
使用感をよくするために、通常は何種類かのオイルをブレンドして石鹸を作ります。
一般的な日本の浴用石鹸は、牛脂またはパーム油が約80%、ココナッツオイルが約20%の割合で作られています。
(格が安い物はだいたい牛脂を使っています。)
この配合は固さもあって泡立ちも良く、汚れをスッキリおとす特徴があります。
脂性肌の人におすすめ。
乾燥肌の場合は、オリーブオイルなどのオレイン酸成分を多く含むオイルを使った石鹸がおすすめです。
有名なのが「マルセイユ石鹸」。
マルセイユ石鹸はオリーブオイルを72%使用、パーム油とココナッツオイルを配合して泡立ちと硬さもキープしています。
「マルセイユ石鹸」は色々な会社で製造されていますが、中でもマリウスファーブル社製が有名です。
もっと保湿したい場合は、アデルファンサ社の「アレッポの石鹸」もおすすめ。
アレッポの石鹸は、オリーブオイルとローレル(月桂樹)オイルが主な原料。
オリーブオイルメインの石鹸は保湿力があるけど、泡立ちは良くないのでさっぱり洗いたい場合には不向きです。
泡立ち(さっぱり感)と保湿は両立しないということです。(天然のオイルを使った石鹸に関しては)
まとめ
石鹸素地でできた石鹸も、原料になるオイルの配合で使い心地がちがってきます。
コールドプロセスの石鹸など、せっかく高価な石鹸を買ったのに肌に合わなかったら勿体ないので・・
それぞれのオイルの特徴を知って、自分の肌に合う石鹸を選ぶようにするといいですね。