「消毒用エタノール」は、リセッシュなど「除菌スプレー」の主成分になっているアルコールの一種。
そしてこの「消毒用エタノール」と同じく、消毒・除菌に使われる薬剤に『オスバンS』があります。
「エタノール」と「オスバンS」、同じような用途で使われますが、全く違った薬剤なので使い分けが必要になります。
そこでこの2つの薬剤について、成分や用途の違いについて詳しく調べてみました。
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カビや細菌の除菌におススメ|オスバンSの特徴
まずは、オスバンSの特徴や便利な使いから。
成分 | ベンザルコニウム(第3類医薬品) |
使用法 | 殺菌・消毒 |
消毒範囲 | 細菌(ウイルスには効かない) |
オスバンSは「逆性石鹸」というものです。
「石鹸」とはいっても「洗浄作用」はありません。
要は、汚れを落とすことはできないんです。
「殺菌」の用途のみで使用します。
オスバンSの使い方|薄めて水拭き
オスバンSの原液を、200倍ほどに水で薄めて使用します。
雑巾に「オスバンS」の薄めた液をスプレーして、ふき取ることでも除菌や殺菌効果があります。
基本的に2度拭きの必要はありません。薄めたものは1週間くらいで使い切るようにします。
水溶液なので、機械や錆びやすい物には不向き。
漬け込み洗いもできる
生乾きの洗濯物などの嫌なニオイは「細菌の繁殖」が原因。
なので、洗濯物をオスバンの溶液に漬け込んでから洗うと嫌なニオイがしません。
ただし石鹸のような洗浄作用はないので、除菌しつつ汚れも落としたい場合は「オキシクリーン」など洗浄剤の入った酸素系漂白剤などに漬ける方が効果的です。
オキシクリーンもオスバンSも、革製品の除菌には使えません。
消毒用エタノールの特徴は「アルコール」と「揮発性」
除菌に使う「アルコール」(エタノール)は細菌だけでなく、ウイルスにも効果があります。
アルコールは用途によって濃度がさまざまで、消毒に使うには80%前後のアルコール濃度が一番効果的と言われています。
今回は消毒に適した濃度の「消毒用エタノール」、そして同じように使えるアルコール剤の「パストリーゼ」の特徴や使い方についても調べました。
消毒用エタノールの成分と特徴
成分 | アルコール(81パーセント) |
使用法 | 殺菌・消毒・他(オイルの希釈など) |
消毒範囲 | 細菌・ウイルス |
消毒用エタノール特徴は、
- スプレー後すぐに気化するので、拭き取りがいらない
- 火気厳禁
- 消毒に適した濃度なので、そのまま使える
高濃度のアルコールである消毒用エタノールは、すぐに気化するため拭き取りがいりません。
細かい器具や調理用具などには、スプレーするだけで殺菌できるので便利。
気化するので水分が残らずサビの心配もありません。
エタノールは濡れて濃度が下がると殺菌力が弱くなるので、乾いた状態の所にスプレーします。
インフルエンザやコロナウイルスなど、「エンベロープウイルス」という種類のウイルスに対して、除菌効果があります。
参考>>健栄製薬
手ピカジェルなどの手指の消毒用製品にも、消毒用エタノールが使われていますね。
>>手ピカスプレーと手ピカジェルはどっちがいい!?違いや殺菌成分など
エタノールは水と油の両方に溶けやすいので、アロマオイルの希釈にも使用します。
>>ハッカ油と消毒用エタノールで簡単!虫除けスプレーの作り方
消毒用エタノールの仲間「パストリーゼ」
同じくアルコールからできている『パストリーゼ』も消毒用エタノールの一種。
パストリーゼは、サトウキビ原料由来の醸造用アルコールを使用した除菌スプレー。
ドーバー酒造で作られています。
カテキンが入っており、消毒用エタノールよりも消毒効果が高いとされています。
厚生労働省認可の食品添加物なので、食品への使用もOK。
カテキンの色で少し液体の色が黄色がかっています。
消毒用エタノール・パストリーゼを使う時の注意点
消毒用エタノール・パストリーゼ共に、
アルコールに弱いアクリル樹脂、ニスの塗ってある家具、フローリング、ゴム、革製品などには使えません。
スプレーに入れ替える時は、ポリプロピレン(PP)かポリエチレン(PE)またはガラス容器を使用しましょう。
消毒用エタノールとオスバンSの比較
オスバンS
効果 | 細菌の消毒・除菌 |
使い方 | 薄めて使用・水拭き又は漬け込み |
消毒用エタノール
効果 | 細菌・ウイルスの消毒・除菌 |
使い方 | 乾いた場所にスプレー |
ウイルスの消毒や除菌が目的なら、エタノールを使います。
「ウイルス」と「細菌」では除菌できる薬剤が違うのですね。
洗濯物のウイルスを除菌したい場合は、オスバンSではなくて「ハイター」など「次亜塩素酸ナトリウム」の溶液に漬け込み洗いをします。
カビは「細菌」なので、浴室のカビ予防などにはオスバンS水溶液での水拭きも効果的。
まとめ
消毒用エタノール → 器具や、水分を嫌う場所で使用。ふき取り掃除にも使える。
オスバンS → 水拭きや、漬け込み洗いで使用。
ウイルスに対しては、
- 消毒用エタノール→インフルエンザやコロナウイルスなどの「エンベローブウイルス※」というウイルスに効果あり。
- オスバンS→ウイルスには効果なし。
※ウイルスの周りに膜を持ったもの
消毒用アルコールは一時品薄になりましたが、最近は店頭でもみかけるようになりました。
手に入り難い場合には、高濃度のアルコールでも代用できますよ。
