旭酒造「獺祭」の磨き3割9分|精米歩合で味は違う?

お酒

「獺祭」(だっさい)は山口県にある旭酒造さんで造っているお酒の銘柄。
香りがよいスッキリ系のお酒の代表的存在でもあります。

この「獺祭」を飲んで、日本酒の美味しさに気づく人も多いのでは?

直営店や料理店も出店しており知名度の高いお酒で、地酒の中では比較的手に入りやすい銘柄です。

そんな獺祭の中でもちょっとグレードの高い「3割9分」を飲んでみたので感想をお伝えします。

獺祭「磨き三割九分」のんでみた

獺祭の磨き3割9分はこちら。


シンプルだけど高級感のあるラベルです。

獺祭はこれまで何回も飲みましたが、とても香りがよいお酒なんです。
久しぶりに飲みましたが、やっぱりフルーティー。

香りとともに甘みもあって後味はやや辛口です。

うま味もあるので、決して軽すぎずにしっかりした飲みごたえもあります。
日本酒の臭みとか辛さとか嫌なところが全くない、いいとこどりの美味しいお酒。

甘いけどベタベタしないし、酸味も強くなく辛味もちょうどいいのです。

いろいろなお料理にもあわせやすく、単独で飲んでも美味しいです。



香りのいいお酒なので、あまり風味が主張しない物と合わせるのが無難ですね。
和食全般や、チーズ、ピザなども合うと思います。

獺祭のグレード

獺祭のスタンダードな商品は「45」(4割5分)。
以前は「50」だったものが、2019年より「45」に変更されました。

この数値はお米の磨き具合(精米歩合)を現していて、「45」はお米を55%削った中心の45パーセントのみ使用しているということ。

「大吟醸」と呼ばれるお酒は、この精米歩合が50%以下のお酒なのですが、獺祭は全部の商品が「大吟醸」。
39%まで磨いた大吟醸というのは、品評会に出せるレベルだそうですよ。

獺祭のラインナップにはさらに「2割3分」、もっともっと磨いた「磨きその先へ」という商品もあります。
「磨きその先へ」の精米歩合は非公開。

どんだけ磨くのかと驚きですが、「磨きその先へ」はお値段もビックリ(価格33,000)。
それでも売れているのが凄いですね。

どんどん磨くと味はどうなる?

以前飲んだ定番の「45」と比べてみると、こころなしか今回の「3割9分」の方が香りが際立っているような・・
味が濃いようなそれでいてスッキリしているような・・
つまり、2種類並べて飲み比べないとわからない微妙な違いで、両方美味しいという結論。

「2割3分」「その先へ」はどういう味になるんだろう?

レビューや口コミを色々読んで想像するに、さらにスッキリ感が増したクリアな味わいなるみたい。
磨けば磨くほど美味しくなるというよりは、人それぞれの「好み」で美味しさが変わるようですね。

獺祭のお酒造りは「四季醸造」で新酒が通年販売

地酒の多くは、秋に収穫されたお米を冬に仕込むという「寒造り」を行っています。
気温や材料や人手の都合上、冬に酒造りをするのがちょうどよいのです。

ただ空調設備の整った大手酒造メーカーなどでは、年間を通して酒造りを行う「四季醸造」を行っています。

獺祭もこの「四季醸造」を行っているので、年間を通して「新酒」を手にすることができます。

しかも山田錦を使った「純米大吟醸」のみ生産することで徹底的に合理化を行い、「高品質」なお酒を気軽に飲める金額で出荷できるような体制をとっています。

ただ大量生産といっても、大きなタンクでまとめて造るわけではないようです。

小さなタンクを200個ほど使用して温度などを毎日分析しながら作るので、冬仕込みのお酒と品質的には変わりないといえます。

四季醸造のデメリット

多くの酒蔵では、季節によって違う味わいのお酒が造られています。
例えば、秋の「ひやおろし」や冬から春にかけての「新酒」「あらばしり」など。
この季節限定の味わいを毎年楽しみにしている方も多いのでは。

四季醸造の場合、こういった季節ごとの特徴あるお酒を「限定」で販売できなくなりますね。

「限定」や「レア酒」「プレミア酒」が好きな方には、安定生産されるお酒は好まれない傾向もあります。

ただこの「四季醸造」のデメリットを回避しつつ、うまく取り入れているメーカーさんも。

「五橋」の酒井酒造さんではこの「四季醸造」を一部取り入れ、いくつかの商品は夏に醸造して搾りたての「新酒」として出荷しています。

「天美」の長州酒造さんも、年間を通して出荷できるような生産体制をめざしているとのこと。
天美も人気の銘柄なので、今後の生産体制は気になりますね。

獺祭にもある「季節のお酒」

獺祭の場合、造りたての「新酒」が一年をとおして出荷されます。
ただ「寒造早槽」(かんづくりはやぶね)という季節のお酒もあるのです。

この「寒造早槽」は、名前にもあるように寒い時期に造られて絞りたてを瓶に詰めたお酒。

新酒であるのはもちろん、上槽(お酒を絞ること)してすぐに瓶詰めされています。
冬季限定で、10月~翌3月頃までの販売。

特徴は華やかな香りとトロリとした甘み。
獺祭はこれしか飲まない!というファンもいるほど人気の銘酒です。

獺祭のすごいところ

地酒は生産量が少ないことから、人気が出ると手に入り難くなることも。
値段的にも「プレミア」となってしまうと、なかなか普通の人には手が届きません。

獺祭がめざすのはそういった「幻の酒」ではなく、「実際に飲める美味しいお酒」造り。
そのため大手ECサイトに出店したり、「お願いです。高く買わないで下さい」という意見広告を出したりも。

「定価」で手に入りやすい「美味しいお酒」というのは、とてもありがたい存在です。

まとめ

獺祭は香りがよくスッキリして、お酒が好きな方にはほぼ好まれる味の日本酒ではないでしょうか。

グレードで迷いますが日常的に楽しむなら「45」、特別な時や贈り物にするなら「3割9分」がいいかなと。
日本酒に詳しくなくても「獺祭」のブランドは知ってる方が多いので、プレゼントするととても喜ばれます。

ちなみに獺祭では、お酒造りの指揮をとる「杜氏」をおかずに社員(蔵人)がお酒のデータを分析してお酒を造っています。

これは何故かというと、かつて会社が経営不振に陥った時に杜氏さんに逃げられたことがあるそうで・・
現会長である桜井博志氏は、杜氏さんの「経験」や「勘」に頼らず「データ」をもとにお酒造りをはじめることに。
それがひとつのきっかけで現在の獺祭があるわけですね。

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